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建築家 潤 の『独断と偏見』

「酔龍の独り言:その033」

              [ 裁判判決に関して思うこと ]

 先だって地方裁判所の民事裁判記録が数件廃棄されていたという記事を目にした。
いくら民事裁判とは言え判決記録は双方に対して「良し悪し」を決定した最終判断書となるから、とても大事な記録であり永久保存されるものと思っていたのだが、案件によってはそうでもないようなことが読んだ記事から推定できたので、少し驚いている。
 またその数日後には森友学園事件に係る公文書改竄の指示を受け、上司(元理財局長)による改竄指示と良心の板挟みで悩み続けた後に自殺した赤木さんの件では、以前に国会でも取り上げられて審議されたけれども日本国民が納得できるような終わり方ではなく闇に葬ったような終わり方であった為、赤木さんの妻が元理財局長に対して提訴していた判決が出された。
 判決の内容文は赤木さんの妻や日本国民が期待していたものとはならず、問題となっていた当時の部下達に指示して行わせた公文書の改竄の経緯も詳らかにはされず、奥さんが望んでいた謝罪の要求にも応じなくてよい内容で実質何らお咎めを受けないと言うものとなっていた。
 公文書改竄は「犯罪」ではないのか?の疑問がまたしても上塗りされるようでは日本国民の心の中は行政への不信感が増すばかりとなりはしないか。

 日本が法治国家とは言え、日本人の心情は欧米諸国の意識とは異なり「法」に触れなければ良いと言うことよりも、行った行為が「善」から派生したものなのか「悪意」や「己の保身」から派生したものなのかの方がより大きな「良し悪し」の判断基準となる。
 つまり森友学園事件に関しての公文書改竄を指示した元理財局長の行った行為は法文に照らし合わせれば「無罪」となってしまったけれど、やはりその行為の本質が「善」であったのか「悪」であったのかの方が国民にとっては大きな比重を占めるのではなかろうか。
「善」を「美しい行為」と読み替え「悪」を「醜い行為」「賎しい行為」と読み替えればもっと判り易いかもしれません。
 自分が行った指示で部下の一人が亡くなっているにも拘らず、道義的責任をも感じずに謝罪すらしないというのはどのように捉えても「美しい行為」とは言えないと思う。
しかし当時もし自殺者が数名出ていたとしたら、どのようにこの件が扱われたであろうか。
自殺者が一人だから「心が弱かったのよ」と片付けてしまい、もし自殺者が数名となっていれば「大事件」にするような行政と国会の風潮に加えて、最後の頼みの綱である裁判所の判決までが日本国民の望んでいるようなものとはならないようでは心が寂しくなる。
亡くなられた赤木さんの奥さんは公文書改竄指示の経緯とご主人の自殺に対する同義的責任の謝罪を望んでいたようであるが、それすら叶えられなかったのだから日本の「法」は「美しい」のか「美しくない」のかの疑問だけが残る。
 しかし、若し民間人が同じようなことをしたなら厳しい処罰を受けることになるのは火を見るよりも明らかで、官僚だと何ら処分を受けない日本はやはり「美しい」とは言えない。
だから、いつまで経っても公務員の「醜い行為」が後を絶たない。

 話は変わりますが、最近のテレビ番組には面白い(深く心に刻み込まれる)番組が全くと言ってよいほどに無くなってしまった。
どの番組もお笑い芸人を使って費用を掛けない番組がやたらと多いと感じるのは私だけではあるまい。
 私など若い頃は仕事と女で忙しくてテレビなど見る余裕がなかったので、今まで見ていなかった番組を最近BS番組の時代劇を録画してみている。
その中の一つで「必殺仕事人Ⅳ」を見ていると、出だしに次のような字幕が音声と共に流れてくる(番組の放映は1984年となっているから今から約40年前である)。
「近頃世間に流行るもの 押し込み強盗 高利貸し 賄賂を貰う偉え人 金金金の世の中で泣くのは弱い者ばかり」<涙を拭いておいでなせえ><恨みを晴らす仕事人 陰善据えて待っておりやす>。
最近は「押し込み強盗」の報道は余り聞かなくなったけれど「高利貸し(今なら銀行で一昔前なら消費者金融かな)」と「賄賂を貰う偉え人(直近では五輪関連)」などは一向に後を絶たない。
40年が経っても世情は代わり映えせず、一向に進歩しない日本の社会に先があるのだろうか?民衆を導かなければならない立場の官僚や政治家が今の体をなしているようでは、いずれ一揆が起きてもおかしくあるまい。
いや、それまでには大地震に襲われて「これでもか!これでもか!まだ目が覚めぬか!と厳しい試練を受ける羽目になろう」






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