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建築家 潤 の『独断と偏見』

「復活 くたばれ建築基準法:追録の14」

 先月から仕事が重なってしまい、図面を描き、仕上げ、完了検査に立会い、新しい依頼の企画・計画図の作成対応に追われていましてブログの更新がままならず、やっと少し落ち着きましたので、早年末近くになってしまいましたが更新します。
近い内に「双龍物語」も必ず更新する予定ですが、その前にどうしてもお伝えしたいことがあって今日はその内容にいたします。 

また建築基準法が改正と改悪?(と思われます)が行われました。
まず改正の方からお伝えしますと、建築基準法施行令第112条(防火区画)12項13項には(俗に・異種用途区画)と呼ばれる規定があるが、その一部が削除されました。
法文が削除されるのは異例なことですが、今回それが行われ、前記載の12項には次のような法文がありまして、法文のまま記載しますと [ 建築物の一部が法第二十四条の各号のいずれかに該当する場合においては、その部分とその他の部分とを準耐火構造とした壁又は法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画しなければならない。] ですが、一般の方にはこれが何を意味するのかも判らないと思いますので、その一例を砕いて説明すると、一般の住宅であれ床面積が50㎡を超える自動車車庫を設けようとすれば、その車庫から住宅内部に出入りできる扉や開口部(窓など)は金属製の扉にして、壁の部分は一定の防火性能を有する仕様にしなけければならないと言う規定です。
尤も金属性の扉であればどのような物でも良いと言う訳ではなくて、国交省が規定した性能評価試験に合格した物でなくてはなりませんし、壁の防火性能に関しても細かな規定があり、その両方を満足しなければ50㎡を超える駐車場付きの建物は建てられません。
これ以外にも「倉庫」に関する規定もあったのですが、この法文には少し首を傾げたくなる内容で、2階建ての建物に限ってその中に「倉庫(収納物品の可燃・不燃の種類を問いません)」があり、その床面積が200㎡を超えていれば、前文と同様に扉と壁に規制が掛っていました。
3階建て以上の建物であればこの規定は適用されませんので、この意味する内容は一体何なのだろう防火?・避難?の疑問が解けないでいましたが、削除されたので国民にとっては良き方向と言ってもよいのではないかと思っています。

 これ以外にも建築物の新築工事においては建築確認申請の交付(都市計画区域外で除外の建物もあります)を受けなければ建築物を建築してはならないこととされていますが、学校・映画館・保育園などの特殊建築物と称される用途であれば、現在建っている建物の内部を改築して使用する場合も床面積が100㎡を超えれば建築確認申請(用途変更)が必要とされていました。
しかし、この法文中の「100㎡を超える→200㎡を超える」に改正されたのです。
100㎡とは10m×10mの大きさで、坪数にして約30坪の面積です。
ビルの中に企業型の保育園を設けようとすれば、100㎡の面積では十分に余裕を持たせた企画が出来ず手を焼いていましたが、今回改正されましたので少し良き方向へ舵が切られたかと感じています。
これで、200㎡以下の面積であれば建築確認申請(用途変更)の交付を受ける必要はなくなりましたが、届出は必要なので、確認申請から届出に変わったという事になります。
この建築確認申請(用途変更)から届出への変わりは大変に大きく、私達設計者の業務の内の大部分を占める設計内容に変わりはありませんが、建築主が負担を強いられる「審査手数料・完了検査手数料」が必要でなくなり、審査機関が行うグズグズと言い掛かりにも等しい「いちゃもん」に付き合わなくて良くなりましたので、時間が有効に使えるようになりました。
でも充分に余裕を持たせて100㎡を超える広い面積で企画を行い、同確認申請(用途変更)を提出すれば良いではないかと言われそうですが、費用と時間がもったいないのです。
10万円に近い費用に加え、1ヶ月以上の審査期間を必要とされるのであれば、出来れば避けたい と思うのが設計者の良心であろうと考えてしまうからで、特に期限が決まっている場合(補助金申請)などではとても助かります。
保育園などでは工事が終わらなければ、補助金は疎か開園まで出来なくなる憂き目に会うからです(認定保育園などでは他に所轄保育課の検査に消防の検査もありますのでねぇ)。
建築確認審査機関は建築主の都合に合わせて残業をしてくれたり、建築確認検査済証の交付を早くしてくれることはまず皆無に近く、相手任せの世界なので、こちらの努力も誠意も全く通用しない情けない形態なので、少し気持ちが楽になりました。
 
 さてと、改悪と言わなければならないようなこともありまして、その法文が削除された時期と前後して、ある企業の不良工事の発覚が世間を騒がしました。
その法文とは建築基準法施行令第114条1項1号2号に規定されている共同住宅・長屋の住戸間「界壁」と言われている部分のことです。
住戸間「界壁」とはマンション・アパート・長屋など、入居者同士を境にしている壁の事を指します。
「界壁」と呼ばれるこの壁の仕様は防火に関する仕様よりも厳しい対応が求められていて、施工業者泣かせの面倒臭い工事ではありましたが、入居者にとってはとても良い構造のものだと捉えていました(遮音・防音が主たる目的で作られた法です)。
この法律が削除されたころ、友人でもあるシステムエンジニアの方が当社のパソコンの不具合を修理に来てくれていた時のことです。
「いやぁ以前長期の出張でRパレスの一部屋を借りていた時のことです。玄関の呼び鈴が鳴ったので玄関に出てみると、隣の住人の所でした。でも自分のところが鳴ったほどに大きく聞こえたので、それが理由でしたか・・・納得できました。」と話していました。
そうです、この「界壁」の手抜き工事で日本全国に何万戸もの不良物件を造って稼いでいたあの会社のことです。
恐らく信じられないほどの巨額の差額金を手にしたはずで、これは明らかにアパートの建て主に対する詐欺行為です。
通常であれば、倒産しても不思議ではないほどの補償と改修工事費になるはずであったが、倒産の話を聞かないし、糞蝿報道者達も何ら報道すらしなくなった。
それもそのはず、確か報道各社がこの違法工事を報道し始めて暫くたってからのことだと思いますが、この「界壁」の部分の法文が削除されたのですから、それまで違法であったものが、少し手を加えるだけでその日を境に合法に変化してしまいました。
これでRパレスの建物は僅かな改修工事の費用で済むようになったと思います・・・一体何なのでしょうか、この時期にこの法文の削除です。
国交省の天下りを数名でも受けているのではないかと勘繰りたくもなるし、仮にそれはなくても他の大手プレハブ各社も同じ様なことをしていて、それの目隠しに利用されたのではなかろうかと思わざるを得ない私は、やはりひねくれていますかねぇ。
しかし、燐家の声や音がまる聞えの部屋で、男女間の睦み声まで響き渡るのでは、性犯罪の増長にまでなり兼ねないことなどお構い無し!で、これは不眠症大量増産政策ですか。
企業を助けて国民を殺すようなことを平気でやる霞ヶ関ではねぇ・・・令和の信長早く出てきて何とかしてくれえ~。



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