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建築家 潤 の『独断と偏見』

「酔龍の独り言:その004」

 今年の広島は結局のところ梅雨が無くて、台風による雨が降った後に突然夏が来たという感じで、これまで規則的な周期を繰り返していた気候が近年少し変になっているのではないかと思えることが多くなりました。
地球規模で天変地異が起こる前触れで無ければ良いのですか・・・。

 久し振りに書店で本を探していたところ「養老猛」氏の本(題名は「遺言」)を見付けて手に取り、頁をめくりながら中を拾い読みしたところ興味深そうな内容に思えたので購入した。
しかし内容はとても遺言とは思えないようなもので、氏にとっては最後の著書という意味合いなのかも知れないと感じましたが、氏の伝えたいと思われる遺言の内容は哲学書だと感じられるようなもので、読み終えたらもう一度読み直したいと思えるほどの記述でした。
このような本を上梓し無知な私に啓蒙を与えてくれる養老猛氏に感謝の意を表します。

 さて、私の愛煙は十六歳の時より始まって、今年でもう五十三年の付き合いになってしまいました(今の時代では自慢にならない話ですけど1日40本程度は体が要求します)。
これまでは事務所の中で喫煙をしていたのですが、諸事情を鑑み数年前からは事務所の中では吸わず1階の駐車場に下りてタバコを飲んでいましたが、今年に夏は余りにも暑くて、外でタバコを吸っている間が苦痛に感じられるようになり、3階にある事務所の窓から顔を出してタバコを吸っていた時のことです。
三十代前後と思われる女性(母親であろうと思われる)に手を引かれて歩いた女の子の上向き加減に笑っている顔が見えたのです。
明らかにダウン症の子供だと思ったけれど、その仕草と笑みに例えようのない美しさを感じた。
もうすぐとても楽しいことが待っているのだろうか、少しはしゃぎ加減で歩く姿とその笑みは穢れ無き微笑みと表現しても言葉が不足しそうなほどに心を震わされてしまいました。
今思い出しても、目頭が熱くなり心が締め付けられるような感情が湧いてくる。
この親子に幸多からんことを祈る以外になす術がないのだけれど、自然は時折人に対しても惨い仕打ちをするものだと改めて考えさせられた日になりました。

 先日の朝のこと、バスでの通勤時につり革を持って立っていたところ、三十五才頃と思われる男性に席を譲りかけられました。
見た目で頭は薄くて、残った髪は真っ白では仕方がないかと・・・思えども、本人にとっては衝撃的な出来事で、何だか人生が終わりに近づいたような気持ちにさせられました。
でも思い遣りのあるこの男性に感謝します。




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