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建築家 潤 の『独断と偏見』

「復活 くたばれ建築基準法:追録の13」

数年ぶりの「復活くたばれ建築基準法」です。 
何故かと申しますと、近年の「建築確認申請」に於ける「審査内容」が余りにも酷くて、これは審査の域を超え、最早「粗探し・間違い探し」と化しているので、その実態をお伝えしようと思い立ちました。
折しも、元号が「令和」となり、何とも言えない違和感を持っての更新となりました。
この「令」と言う言葉は「令月・令夫人・令嬢」などに使用され、良いという意味だと政府は言っているようだが、現在の日常生活では余り馴染みの無い使い方である。
特に若い人など令夫人と言ってもその意味が判らない人のほうが多いのではないかと思う。
「令」を辞書で引いても、良いと言う意味は出てこず、命ずる・お達しなど全てと言って良いほど行政がらみの言葉であり、何だかお上が下す命「令」に従っていれば、平「和」な生活を保障してやるとの、まるで上から目線の押し付け元号のような気がしてならない。
まぁ別に元号が何と決められようが人の名前と同じだから、文句をつけたいわけではないのだが「名は体を現す」と言われるように、もう少し馴染みがあり心が穏やかに感じられるような元号にして欲しかったと思うばかりである。
 さて、昨年より鉄骨3階建ての共同住宅(賃貸マンション)を設計し、確認申請書を審査機関に提出して2ヶ月近くが経とうとしているが、まだ確認済証の交付を受けていない。
一ヶ月以上の期間を費やして、意匠関係(建築基準を含む他の法令関係)の審査は一応終えたけれど、現在は構造計算適合性判定という構造計算の審査を受けているところです。
姉歯建築士の事件以来、建築確認の厳格化が叫ばれ、審査が厳しくなったと皆さんもお聞きの事と思いますし「厳格化=厳しい審査」と聞けば、詳しく設計内容を審査しているとお思いでしょうが、これはある意味間違いではないけれど、審査内容が全く違った結果と化してしまって、建築主(俗に言う施主)・施工者・特に設計者には余り意味の無い過大な労力と時間に費用を掛けさせられている現状を少しお伝えします。

建築基準法第六条には「建築主は建築物を建築しようとする場合は、工事を着手する前に、建築基準関係規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(法文がとても長く括弧が沢山あって、一般の方にはとても判り難いので大部分割愛しています)」とあります。
読んでみても別段不思議なこともなく当たり前の法文で、違和感を覚えることなどありませんし、この法文の目的は「建築基準関係規定に適合するもの」であるか否かを審査する。
とありますから、適合しているか否かを審査していると思ったら大間違いなのです。

現実例として面白い話をしてみますと、木造平屋建て専用住宅の建築確認申請を提出した時のこと確認申請書の中に記載する欄に「4 建物等の用途」と言うところがあり、そこに「専用住宅(用途区分:08010)」と記載したら、確認申請の厳格化で「一戸建ての住宅(用途区分08010)」に訂正するように指導を受けた。
確認申請書提出時には、これ以外に「建築計画概要書」「建築工事届」と別な書類を作成して同時に提出するように決められている。
その内の「建築工事届」(第三面)の記載事項の欄には [ (1)専用住宅 ] と記載された項があり、民間が勝手に使用している文言ではないし、この項を見ると一体この様な表現があるのか?と思えるほどに難解な区分がしてあるのですが、文が長くなるので割愛します。
一体「一戸建ての住宅」と[ 専用住宅 ] とは何が違うのか?そして、この記載は何故法令違反となるのか?良く判らない。
確認申請は前にも述べたように「建築基準関係規定に適合するもの」であるか否かを審査する。であるのだから訂正させられると言うことは「法令違反」ということになります。
しかし、誰が考えてもこれが法令違反になるとは思えるはずもない事柄まで「言い掛かり」に等しい訂正が余りにも多く実は閉口している現状なのです。
この木造平屋建て住宅は「4号確認」と称され、確認申請を受理した後7日以内に確認申請済の交付を行わなくてはならないと法令で定められていますが、何か図面内容や記載事項に法令違反があると、その期間は延長される仕組みとなっていて、一度「確認できない旨」の通知を受けると審査期間は延長され、再度指摘を受ければまた審査期間を延長される。という一体何時になれば確認済証の交付が受けられるのか・・・。
と毎回のように時間の浪費と修正する紙の無駄使いには心が痛み面倒臭い手続きを強いられます。
この建物について言えば、まだ他に13項目の修正を要求されましたが、法令違反による訂正など一つもなくて、確認申請書の記載事項に係る事ばかりでした。
指摘事項が余りにも細かいので、その理由を聞いてみたところ、審査機関も行政の監査を受けるそうで、その指摘を回避するためだそうです。
だから最低でも8項目程度の修正を指示するように言われているとの話であった。
つまり、設計者が間違いをしないで設計図書を完成させているはずがない!との立場から考え、言っていることは明白である。
と言う事で、今や確認申請は法令に違反がなくとも、最低8項目の指導を受けることになってしまっています。これが確認申請の「厳格化」の実態ですから、建築主の経済活動を妨げ、設計者には余り意味を感じない指導・修正に多大な労力と時間に紙を浪費させていることが建築基準法第一条に掲げてある「国民の生命、健康、財産の保護を図り、もって公共の福祉疎増進に資する目的とする。」になっているとは到底思えないのですがねぇ。

 木造平屋建て住宅でこの様な実態ですから、階数が多く面積の大きい建物であれば、その審査期間の長さと言い掛かりに等しい訂正内容に想像を巡らせて頂ければと思います。
建築物の設計図書を完成させるには、数百種類の記号と種類別に分けて表現する線に加え、文字と部分的に色づけまでして判り易いように表現します。
文字数など数十万文字・線の合計長さは日本縦断できるほどありそうで、図面枚数も判の大きさにもよりますが木造住宅でもA2判(新聞の閉じた大きさ)30枚・少し大きい建物になると100枚以上は普通に書き上げます。
その図面に記載した文言に不備(今はパソコンで図面を描きますので、入力間違いなどが起こります)があれば、別段法令に違反しているような内容ではなくても訂正を強いられます。
だから、最早確認申請はもう「申請」ではなく「許可」に等しい実態と化してしまいました。
指先に目が付いていれば、この様な間違いは起こさないのでしょうが、手書きでは起こらないような不思議な変換や記載違いが時には生じています。
勿論見直しも行っていますが、なんせパソコンがやった仕事は印刷物(本などと一緒で間違いがないという先入観と錯覚が起こってしまいます)なので、自分で書いた図面中の間違い探しは困難を極めます。
などど、言い訳をしても始まらないのですが、なんだか人間的でない嫌な世の中になったと感じてしまいます。





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