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建築家 潤 の『独断と偏見』

「復活 くたばれ建築基準法:追録の9」

 またもやですが、4年後の2020年に建築基準法が更に改悪されようとしています。
ここまでやるのか!お節介もやり過ぎだ!やるのならちゃんと検証してからにしろ!とまで言いたくなるような内容のものなのです。

 その内容とは2020年には「省エネ法」に定められている内容が「全ての住宅」に対して「基準」であったものが「義務化(法的強制力となる)」されようとしています。
その「義務化内容」を聞くとチャンチャラ可笑しいと建築専門外の方でも思えるほどで、呆れたものです。
明らかに建材メーカーと官僚がグルになって仕組んだものであろう・・・以外に考えられないほど幼稚な思考で始まっています(やはり新規天下り先の開発目的なのかなぁ~?)。

 大まかに言えば、全ての住宅の「外壁断熱性能を上げろ」と言っているのです。
外壁(開口部のガラスを含む)の断熱性能を上げること事体は別段悪いこととは思えないけれど「義務化」となれば話は別次元であるし、何故義務化なのか?何故外壁なのか?についての理由は、子供が聞いても笑ってしまうようなことで、その解決なら外壁断熱性能を上げなくても他に幾らでも方法が見出せるようなものだから、明らかに両者がグルになってまた国民虐めを始めたと言われても仕方がなかろう。

 基本的には建築材料の熱貫流率を事細かに計算した上で一定の基準値を定め、住宅内部の温度を上げようと言う事が目的となっているのだが、その理由とは「ヒートショック」による住宅内の死亡事故を防ぐ事にあるらしい。
「ヒートショック」とは急激な温度差による死亡事故を言うそうで、その可能性がある部屋は一般住宅では「浴室・脱衣室・便所」又は「着替えをする部屋」が考えられるけれど、ここからが何とも良く判らない理論が展開されている。
暖房器具メーカーや断熱材製造会社などが広告で「交通事故死は年間4,600人だが、ヒートショックによる浴室での死亡者は17,000人に上る」と煽っているけれど、厚労省の調査では住宅内での死亡者数は年間13,240人(2008年の調査)とあり、そのうち浴槽内での死亡者数は3,000~4,000人の溺死とあるから、急激な温度変化による心臓麻痺や脳溢血との因果関係が立証されている訳ではないし、これでは死亡者数の数値偽装まで疑われる。
その上、消防関係による記録では死亡原因まではよく判っていないらしい(他殺を疑われない限り解剖してまで死因の解明などしないからであろう)し、住宅内での段差のつまずきなどに拠る死亡は冬季が多く、餅を喉に詰まらせての死亡も当然のことながら冬が多い。
これらの事をひっくるめた死亡者数なのに、それを無視して「ヒートショックによる浴室での死亡者は17,000人に上る」と煽るのは明らかな自社製品販売増強の為の誘導であろう。
「ヒートショックによる浴室や脱衣場での死亡」を防ぎたいと住人が願うのであれば、浴室や脱衣場にそれぞれ住人が自主的に暖房機器を設置すればよい事であって、因果関係すらはっきりしていない状況下において、何を根拠に行政が強制的に外壁の断熱性能を向上させようとしているのか理解が出来ないし、お節介が過ぎる上、本当に死亡事故防止に繋がるのかと言いたくもなる。
先ほど子供が聞いても笑ってしまうと書きましたが、その通りでしょう。
しかも、住宅内の「ヒートショック」に拠る死亡事故を防ぐ為だと法律で強制的に外壁の断熱性能を向上させたり、エアコンを取り付けさせるとはねぇ日本の官僚の頭の中は一体どのような構造になっているのでしょうか。

また長文になってしまいますが、本文内容で重要な部分は熊本市に在住の建築家「古川 保」氏による記述を要約したものです。
日本国内に於いて建築士(一級・二級・木造)が入会している組織に「(公益社団法人)日本建築士会連合会」と言うのがありまして、日本医師会のようなものだと思っていただければよいと思いますが、力と権限は横綱と小学生ほどの差がある情けない団体です。
その上(公益社団法人)とは名ばかりで次を読めば(省益社団法人)と名称を改めた方が良いのではと思われても仕方がないような中身だと感じていただけることと思います。
実は建築家「古川 保」氏を知ったのは「(公益社団法人)日本建築士会連合会」が発刊している月刊誌「建築士(昨年の11月号だったと思います)」に掲載されていた記事を読んで、感激し、素晴らしい記事内容でしたからその時は(公益社団法人)だと納得できましたが、行政寄りの雑誌「建築士」によくこのような記事を掲載できましたね、とこの感激を伝えたくてインターネットで彼の事務所を探して突然メールをしてみました。
数日後に彼より返信があり、雑誌を検閲する方に理解があって実現したとの事でしたので、少しは「(公益社団法人)日本建築士会連合会」も変わってきたのかな・・・と淡い希望を抱いていたところ、年が明け1月になって彼からメールが届きました。
その内容とは「(雑誌)建築士にふさわしくない」と言う理由で掲載が打ち切りになったとのことでした。
やはりねぇ~(省益社団法人)だわ 納得・納得。
建築士として今まで学んできた知識や力を公益(国民に対して)に役立てようと仕事を続けている中で、記事を依頼されたから書いたけれど、公益とは省益だと思っている組織に対しては無力だったようです。
残念で悔しくて仕方がないけれど、これが実態なのです。
私が建築士は余り好きになれないと言う意味が少しお判りいただけるでしょうか。

古川 保氏による没にされた掲載記事を読んでみたい方がいらっしゃれば彼の了解が得られれば、メールにてお届けいたします。
専門的な記述部分が多くて理解が辛いかも知れませんが、実に素晴らしい検証の内容で私のような不勉強・不真面目な建築家としては頭が下がる程のものです。

 また重ねて言及するなら、このように国民虐めの法ばかり作り続けられては、最早日本の伝統的な良き建築工法を使った建物などこの世から姿を消し行くのではないかの危惧もあるし、良き家を都市計画区域内にて建築することなど不可能に近い時代が来ている。
もう建築確認申請の提出が不要である都市計画区域外に建設する建物に活路を見出す以外に生きる道は残されていないのかも知れません。


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